東京都でEVを買うとき、国のCEV補助金のほかに、都の補助金と区の助成金がそれぞれ別の窓口で用意されています。どれを、いつ、どこへ申請するのかで迷う人は多いはずです。結論は、都のZEV補助金は2026年4月30日から2027年3月31日までの受付で、EVの上限は130万円(2026年7月1日以降に登録した車。4〜6月登録車は最大100万円)で、再エネ電力などの上乗せを含む金額です。区の助成は、お住まいの区によって有無が分かれます。この記事は、都と23区の公式ページを2026年10月13日に確認した内容をもとに、条件と手順に絞って説明します。
東京都のZEV補助は、金額と条件がどう決まる?
都の令和8年度ZEV車両購入補助金は、EV・PHEV・FCVが対象です。EVの上限は130万円、PHEVは115万円です(6月24日発表の引き上げ後・7月1日以降に登録した車)。クール・ネット東京の個人向けの表では、EVの内訳は、ベース額・給電機能・自動車メーカー別の額が合計で最大90万円、再生可能エネルギーや充放電設備などを導入した場合の上乗せが最大40万円です。
メーカーごとの上乗せ額は、ZEV乗用車の販売実績、車種のラインナップ数、GX(脱炭素化)への取り組みを都が評価して決めています。7月1日以降の登録車では、トヨタ・日産・ホンダが60万円、三菱・テスラが50万円、BYD・ヒョンデが10万円などと差があり、全メーカーが満額になるわけではありません。
この上限は、2026年6月24日に都が発表した引き上げ後の額です(EVは最大100万円から130万円、PHEVは最大85万円から115万円)。引き上げ後の額が使えるのは、2026年7月1日以降に初度登録または初度検査を受けた車です。4月1日から6月30日までに登録した車は、引き上げ前の額になります。購入した車がどちらに当たるかは、登録日で決まります。
対象になる車の条件は、次のとおりです。
- 登録時に、国のクリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)の対象車であること
- 初度登録日が令和7年4月1日から令和9年3月31日までであること
- 申請は初度登録から1年以内であること
- 車検証の「使用の本拠の位置」が東京都内であること
- 個人は、車検証の所有者・使用者が申請者と一致していること
事業用の車は、法人と個人事業主だけが申請できます。個人が事業用として申請することはできません。
国の補助金の対象車であることが条件なので、車種選びは国の対象一覧が出発点です。国の上限額と車種ごとの違いはCEV補助金2026年度版にまとめています。
上乗せをもらう条件(再エネ電力・太陽光・充放電設備)
上乗せは3種類あり、個人は条件を満たしたものを車両の申請と合わせて申請します。
再エネ100%電力メニューを契約している
電力会社の契約が再エネ100%のメニューであることが条件です。令和8年度に初度登録した車は、東京都エネルギー環境計画書制度のメニュー別一覧で、計画値の再エネ利用率が100%のメニューだけが対象です。令和7年度に登録した車は、環境省の「再エネ100%電力メニュー一覧」のメニューも対象でしたが、令和8年度登録車では対象外になりました。
対象かどうかは申請日の時点で一覧に載っているかで判断され、増額の申請には契約内容がわかる書類が必要です。契約するメニューは、申し込む前に都の一覧で確かめてください。
太陽光発電システムを設置している
パネルが第三者認証を受けていることが条件です。JP-AC太陽光パネル型式登録リストの登録種別「A」か、JETPVm認証製品リストに載っているものが該当します。再エネ100%電力メニューの上乗せとは併用できず、どちらか一方を選びます。
V2H・充電設備の助成を受けている
クール・ネット東京の対象事業(令和6年4月1日以降に申請したもの)で、充放電設備や公共用充電設備の助成を受けていることが条件です。設備の申請者と車検証の使用者が一致している必要があります。設備の額確定通知を受けてから30日以内に、上乗せを申請します。コンセントとコンセントスタンドは対象外です。
本体価格840万円以上の車は、補助額が0.8倍になります。上乗せの正確な額は、公式の助成額シミュレーションで確かめられます。
区市の上乗せ一覧:車両購入の助成がある区は?
東京都のデータでは、23区と八王子市・町田市のうち、2026年9月15日時点で個人向けの車両購入助成が確認できたのは6区です。受付状況は区によって大きく違います。
| 区 | 受付状況(2026年10月13日確認) |
|---|---|
| 墨田区 | 受付中。2027年2月26日まで。予算に達した時点で終了 |
| 江東区 | 受付中。2027年3月31日必着 |
| 品川区 | 受付中。2027年3月15日まで。予定件数に達すると終了 |
| 足立区 | 2026年8月31日の提出分で受付終了 |
| 江戸川区 | 申請多数のため受付終了 |
| 千代田区 | 令和8年度は制度見直しのため申請受付を休止 |
各区の条件は、次のとおりです。金額は区ごとに東京都の補助金一覧で確かめられます。
- 墨田区:車の使用の本拠が区内にある個人。初度登録日の翌日から1年以内に、購入後に申請します。国・都の補助と併用でき、合計が実支出額を超える場合は区の額が調整されます。(墨田区の公式ページ)
- 江東区:使用の本拠が区内にある個人の自家用車。初度登録の翌日から1年以内で、新車に限ります。過去に区の助成を受けた人は、前回の申請から5年が必要です。(江東区の公式ページ)
- 品川区:区民と中小企業者等。車両の導入が終わった後に電子申請で申請します。(品川区の公式ページ)
足立区と江戸川区は、令和8年度の受付が終わっています。足立区の公式ページと江戸川区の公式ページで、再開の案内が出ていないか見ておく価値があります。千代田区は令和9年度以降の実施が未定です。
上の6区以外では、個人向けの車両購入助成は見つかっていません。そのため、お住まいの区が上の表にない場合、車両の補助は国と都の2階建てになります。
充電設備やV2Hへの助成は、車両とは別に、港区・杉並区・渋谷区・荒川区・葛飾区などが用意しています。たとえば杉並区と渋谷区は、助成の対象が充電設備に限られ、EV本体は含まれません。港区は工事の着工前に申請することが条件で、決定の通知を待ってから工事に入ります。
申請先と流れ:国・都・区はそれぞれ別
国・都・区の補助金は、同じ車に対して別々に申請します。窓口も、審査も、振込の時期も別です。
| 制度 | 申請先 | 申請のタイミング |
|---|---|---|
| 国のCEV補助金 | 次世代自動車振興センター | 車の登録と代金の支払いが終わった後 |
| 都のZEV補助金 | クール・ネット東京 | 初度登録から1年以内(オンライン申請) |
| 区の助成 | 各区の担当課 | 区によって異なる(購入後が多い) |
都への申請は、次の順で進みます。
- 都の「助成対象者YES/NO診断」で、自分が対象かを確かめる
- 助成額シミュレーションで金額を試算する
- オンライン申請フォームから申請する(アカウントを作ると30日間は一時保存できる)
- 提出前のチェックリストで書類を確認する
手続きを販売店などに代行してもらう場合は、誓約書が必要です。申請の受付窓口は、クール・ネット東京の03-6698-9249(平日9時〜17時)です。
国の申請書類はCEV補助金の申請方法と必要書類で、入金時期はCEV補助金はいつ振り込まれる?で、国の受付期限はCEV補助金はいつまで?で確認できます。国は先着順で、予算に達すると締め切られるため、都の申請を待たずに国を先に動かす順番が現実的です。
補助を受けた車を手放すときは、都も国も事前の手続きが要ります。都の処分制限期間は3年または4年で、承認なしに売ると助成金の全額返還や違約金の対象になる場合があります。
戸建てにV2Hを付けるなら、都の補助は
都は、EVの購入とは別に、戸建住宅のV2H設置を支援する事業を令和8年度に実施しています。
対象は、V2Hを所有する事業者または個人です。リース契約で個人に貸す場合は、借りる個人と共同で申請します。主な条件は次のとおりです。
- 都内の戸建住宅に新しく設置した機器であること
- 登記簿の表題部の種類に「居宅」が含まれること
- 共同住宅、集合住宅、二世帯住宅は対象外
- 令和8年4月1日から令和10年9月29日の間に設置すること
- 設置日の時点で、国のCEV補助金の交付対象のV2Hであること
- 都と環境公社の同種の助成金を重ねて受けないこと
受付の終了は令和9年3月31日(水)の17時です。申請は、メールアドレスの登録、事前申込、交付申請兼実績報告の順に進みます。事前申込は原則として機器の設置契約より前に行います。令和8年度の事前申込からは、実績報告に金融機関が発行する証明書などが必須になりました。
V2Hの補助率や補助額はページに数値が載っておらず、本体費用や工事費、国の補助額を入れる公式のシミュレーションツールで目安を出す方式です。V2Hヘルプデスクは03-6737-5033(平日9時〜17時)です。
よくある質問
東京都のEV補助金は、国の補助金と両方もらえますか
もらえます。ただし、都の補助は国のCEV補助金の対象車であることが条件で、国とは別の窓口に別の書類で申請します。都の公式ページには、国の補助額との調整に関する記載はありません。区の助成を併用できるかは区ごとに異なり、墨田区は国・都との併用を認めています。
東京都の電気自動車の補助金は、いくらですか
2026年7月1日以降に登録したEVの上限は130万円(PHEVは115万円)で、ベース額・給電機能・メーカー別の額が最大90万円、再エネ電力などの上乗せが最大40万円です。4月1日から6月30日に登録した車は、引き上げ前の最大100万円が上限です。実際の額は、メーカーと上乗せの有無で変わるため、都の助成額シミュレーションで車ごとに確かめます。
再エネ電力の契約は、車を買う前にしておくべきですか
契約の時期に関する決まりは、都の公式ページには書かれていません。対象かどうかは、申請日の時点でそのメニューが都の一覧に載っているかで判断されます。申請前に、契約するメニューが一覧に載っていることを確かめておくと、増額の申請で止まりません。