結論:国のV2H補助は最大130万円(個人宅の場合)

V2H(ビークル・トゥ・ホーム)は、EVやPHEVの電気を家で使えるようにする充放電設備です。国の補助は、設備の購入費と設置工事費の2本立てで、個人宅などでの合計上限は最大130万円です。内訳は設備本体が上限75万円、設置工事費が上限55万円です。

ただし、上限は「満額もらえる額」ではありません。設備は購入費(税抜)の2分の1以内で、型式ごとの上限額のいずれか低いほうが交付されます。工事費も、工事項目ごとの上限、実際の対象経費、1基あたりの上限のうち最も低い額が交付されます。

この記事では、国の仕組みと条件、自治体の上乗せの探し方を順に説明します。

国のV2H補助の仕組み:設備費と工事費の上限

次世代自動車振興センターの応募要領(令和7年度補正予算)では、補助は次のように決まっています。

区分補助率上限(1基あたり)
V2H充放電設備の購入費購入費(税抜)の1/2以内750千円(型式ごとにも上限あり)
設置工事費(個人宅など)定額(実際の対象経費まで)550千円
設置工事費(公共施設・災害拠点)同上950千円

設備本体の上限は型式ごとに違います。センターの型式一覧(2026年8月31日更新)に載る97型式のうち、上限は449千円から750千円の幅があり、76型式が750千円です。同じ「V2H」でも、機種によっては上限が75万円に届きません。

たとえば購入費(税抜)が100万円の機種なら、1/2の50万円と、その型式の上限額を比べて低いほうです。上限が750千円の型式でも、購入費が低ければ1/2の額が上限になります。

工事費は、基礎工事や電気配線工事などの項目ごとに上限があり、個人宅などでは項目の上限額の合計、実際の対象経費、1基あたり550千円のうち最も低い額になります。見積書の内訳が項目ごとに分かれているかを、工事業者に確認しておくと審査がスムーズです。

型式ごとの上限額は随時更新されます。購入前に、センターのページで機種の最新の額を確かめてください。

申請の条件と5年間の保有ルール

応募要領とセンターのページには、次の条件が書かれています。

  • 申請できるのは、個人、地方公共団体、法人、その他の団体(リース会社を含む)
  • 設置する場所と、電気を受ける施設を使う権利があること
  • 設置情報を国・地方公共団体に提供することに同意し、災害時に要請があれば協力すること
  • 交付申請は、発注・工事開始の前に行うこと

見落としやすいのは、事前申請です。工事が始まってから申請しても対象になりません。業者と契約する前に、補助金の手続きの順序を確認してください。

もう一つが保有期間です。設置したV2H充放電設備には5年の処分制限期間があり、設置完了日から5年間は保有・運用する必要があります。センターのFAQでも、V2H充放電設備の処分制限期間は設置完了日から5年と案内されています。

やむを得ず期間内に処分するときは、事前の手続きと補助金の返納が必要です。応募要領には、センターの承認を得ずに処分した場合、補助金の全部または一部の返還に加えて、年利10.95%の加算金を求められることがあると書かれています。車の補助金(4年)より長い点に注意してください。

なお、V2H本体は、対応するEVやPHEVの車種でなければ使えません。補助金の対象かどうかとは別に、お持ちの車がV2Hに対応しているかは、メーカーの案内で確認します。

自治体のV2H補助金:数と探し方

国の補助は、自治体の補助と別の制度です。国の補助は申請窓口がセンターで、自治体はお住まいの都道府県・市区町村に別に申請します。

サイト内のデータでV2Hが対象に入っている制度は、2026年10月13日時点で62件でした(都道府県12件、市区町村50件)。うち57件が受付中、5件が終了済みです。個人向けのV2H補助の額は、確認できた市区町村では3万円〜25万円ほどに集まっています。

地域内容(データ上)
長野県既設の太陽光があってV2Hのみなら20万円、太陽光とV2Hを新設すると最大25万円
福島県V2H区分は定額10万円
山梨県V2H充放電設備は11万円
宮城県住宅の省エネ支援事業のV2H区分は4万円
千葉市・船橋市・柏市個人向けV2Hは各25万円
仙台市家庭向けV2H充放電設備は20万円

東京都は、令和8年度の戸建住宅向けV2H普及促進事業があります。額は公式ページの「助成金シミュレーションツール」で、本体費用・工事費用・国の補助額を入れて算出する方式で、金額を直接確認できなかったため、ここには金額を載せません。東京都の補助金ページから、最新の受付状況を確認できます。

自治体の補助は、福島県のV2H区分のように予算枠が20件程度と小さい制度もあります。国の補助が受付中でも、自治体は先に締め切られることがあります。見積もりを取った段階で、早めに窓口へ確認してください。

国と自治体を重ねる時の注意

国のV2H補助と自治体の補助が併用できるかは、自治体の要綱で決まります。併用できる制度でも、「国の補助額を差し引いた残りの額が対象」とするなど、計算の方法は自治体ごとに違います。

確認の順序は、次の3ステップが確実です。

  1. お住まいの自治体の制度名と、受付期間・予算の残りを確認する
  2. 国の補助と併用できるかを、要綱の「他の補助金との重複」の項目で確認する
  3. 申請の順序(国は工事前、自治体は契約前など)を、工事業者のスケジュールとすり合わせる

EVを買う時の補助はCEV補助金2026年度版の解説、東京都の場合は東京都のEV補助金ガイドに整理しています。V2H補助とEV補助を同時に使う場合は、それぞれの締め切りが違う点に気をつけてください。

よくある質問

V2Hの補助金は車を持っていなくても申請できますか

申請の対象は、V2H充放電設備を購入して設置する人です。応募要領の申請者は個人、地方公共団体、法人などで、設置する場所を使う権利が必要です。車の有無そのものは申請の条件として書かれていません。

ローンや分割払いでも使えますか

応募要領では、補助対象経費の支払いは原則、金融機関による振込です。ただし、申請者が個人で個人宅に設置する場合は、割賦販売、ローン契約、クレジット契約を利用した支払いも認められています。

補助金はいつまで受け付けていますか

交付申請の受付期間は、応募要領とセンターのページで公表されます。予算額に達し次第終了のため、設置を決めた段階で最新の受付状況を確認してください。センターは2026年9月25日に、V2H充放電設備の申請内容の審査状況をお知らせしています。